cohesion

 金曜日3限は青山学院の大学院の授業で,コミュニケーション研究という授業を受講しています。内容は主に語用論の分野です。今日はその中で,cohesionについて学びました。その一部を紹介したいと思います。
 まず,cohesionとは何でしょう。『英語教育指導法辞典』(研究社)より抜粋します。

 テクスト中の文中,文と文,あるいは節と節の間の意味を関連させる言語形式。例えば,A: Do you know my sister Jane? B: Yes, I met her at the cinema.では代名詞のherは前方の名詞句 my sister Jane を照応する機能を持ち,Aの発話とBの発話を結束させている。
 結束性を示す装置には次のタイプがある(Halliday & Hassan,1976)。
1. 照応(reference): 代名詞などが前後にある異なった文や句の中の人やものを照応する。
2. 代用・省略(substitution / ellipsis): 文の一部を省略することで前の文のある部分を呼び起こす
3. 結合(conjunction): 接続詞などで文と文を関連づける。
4. 語彙的結束(lexical link): 反復,類義語,反義語など意味的に関連のある語を用いる。

文と文がどのように連続帯をなしていくのか,それをルール化したものだといえます。上記のうち,1〜3は比較的意識されているように思えますが,日本人の英語学習者にとって,4の語彙的結束はあまり意識がされていないように感じます。これはan apple→the fruitというように意味的に関連している語で文をつないでいくという手法です。英語の指導,特に英作文の指導の際には4の手法を意識して教えることで英語力を向上させられるのではないでしょうか。