「大丈夫」の多様性

 本日(10/03/11)の読売新聞の投書欄に『「大丈夫ですか」使いすぎでは』という記事が掲載されていました。最近,色々な場面で「大丈夫ですか」とよく声をかけられるというものでした。家電店で商品を見ている時や,コンビニのレジで「袋はいりません」と伝えたときにも「大丈夫ですか」と言われることがあります。本来,困った状況で使われる「大丈夫」の使用場面が広がっているのです。
 こういった日本語を英語に直す時は注意が必要です。困った状況における場合であれば,Are you OK?やAre you all right?で良いのですが,それ以外の場合は,何を言わんとしているのか,すなわち情報核(information nucleus)をつかんでから英語に直さなくてはならないので注意が必要です。『ルミナス和英辞典』(研究社)より,いくつか例を挙げます。

「君ひとりで本当に大丈夫かね」「ええ,大丈夫です」
"Can you really do it yourself?" "Yes, I can."
「お子さんはもう大丈夫です」
Your son [daughter] is out of danger now.
「この建物は地震には大丈夫です」
This building is earthquake-proof [quakeproof].
「この水は飲んでも大丈夫でしょうか」
Is this water fit to drink? / Is this water drinkable?

補足ですが,「大丈夫です」と答える時も注意が必要です。以下,『スーパーアンカー和英辞典』(学研)より引用します。

Are you sure?(本当に大丈夫ですか)と聞かれて「大丈夫ですとも」のつもりでYes, I'm sure.のようにしてしまうことが少なくない。しかし,Yes, I'm sure.だけだと,怒っているように響くか,ぶっきらぼうに響いてしまう恐れがある。Yes, but thanks anyway.と,感謝の気持ちを表すことばを添えるのが英語的。