Cognate Object
Cognate Object(同族目的語)とは何でしょう。細井氏の『英文法汎論』(篠崎書林)を参考にまとめます。
同族目的語とは,自動詞の後ろに目的語がくるものを指します。基本的に自動詞の後ろにくる目的語,すなわち名詞は,その動詞と同一根の語であるかもしくは類似の意義を持つものです。それは.同族目的語の英訳に「同じ生まれ」という語源であるCognateが使われていることからもわかります。これらは他動詞と同様.受け身にできることも少なくありません。同族目的語をとる自動詞は主に次の3種類に分けられます。
(1)全く動詞と同一根の語であるもの
(2)異根ではあるが,同義語または類似意義をもつもの
(3)最上級の形容詞のみをとどめて,名詞を省略したもの
それぞれの例を挙げます。
(1)Live your life, for Time is fleeting.
(2)It blew a terrible storm indeed.
(3)It was in this chamber he breathed his last (breath).
同書はこれに加えて,「目的というものはその種類のいかんを問わず,動詞の表す動作の及ぶ範囲・方向などを示すもので,原始的意義において副詞的のものである」(p.132)と述べています。目的語とは,動詞に対する一種の説明を与えるともいえるという視点でまとめられている点が新鮮に感じられます。確かに,間接目的語を考えると目的語が副詞的であるというのが顕著にわかります。